薬剤師国試98回-問199
- 2015/11/27
- 20:38
薬剤師国試98回-問199,「膜電位」に関する問題.
問199(物理・化学・生物)
グリベンクラミドの作用機序である膜電位変化として、最も近い値はどれか。1つ選べ。
膵臓ランゲルハンス島β細胞における平衡膜電位φm(mV)は、以下の式で近似されるとする。
ただし、静止状態でPK+はPNa+の25倍の値を示し、一方、グリベンクラミド存在下では、PK+はPNa+の4倍にまで阻害されるとする。また、静止膜電位は-69mV、細胞内外のイオン組成は変化しないと仮定する。log101.8= 0.26、log102.8= 0.45、log103.8= 0.58とする。
1) +35mV 2) +25mV 3) +15mV 4) -15mV 5) -25mV
解法のための情報はすべて,問題中に含まれており,受験勉強しなくても解ける「単なる数学の問題」と言えよう.ただ,問うているのは膜電位ではなく,その変化であることに注意.PK+/PNa+ = αとおくと
φm = 61log10{(α[K+]ex + [Na+]ex)/(α[K+]in + [Na+]in)} ①
この式を使って静止状態,グリベンクラミド存在下の膜電位を求めると
φm(静) = 61 log10{(25×5 mmol/L + 150 mmol/L)/(25×150 mmol/L + 10 mmol/L)} = 61 log10(275/3760) ②
φm(グ) = 61 log10{(4×5 mmol/L + 150 mmol/L)/(4×150 mmol/L + 10 mmol/L)} = 61 log10(170/610)
Δφm = φm(グ) - φm(静) = 61 log10(170/610) - 61 log10(170/610) = 61 log10{(170/610)×(3760/275)}
さて,ここで常用対数の真数の計算がチョット大変だ.普段,電卓ばっかり使っている諸君はこの計算(掛算と割算)で間違えるかもしれない.ここまで来たのだから,単なる計算ミスで不正解になるのは辛い.受験勉強中は,なるべく手計算を励行して,本番に備えよう.「当日は慎重に計算するから心配ない」と言って,2月まで電卓に依存するのはやめよう.四則演算で間違えないようにするには実践のみ!示されている常用対数の真数に近い値が得られないときは,計算をし直そう.概数で計算して目星をつけることは大切.
Δφm = 61 log10 3.81 = 61 × 0.58 = 35.38 mV
正解は「1」
なお,式②を計算すると,静止膜電位が「-69.3 mV」と得られる.
問199(物理・化学・生物)
グリベンクラミドの作用機序である膜電位変化として、最も近い値はどれか。1つ選べ。
膵臓ランゲルハンス島β細胞における平衡膜電位φm(mV)は、以下の式で近似されるとする。

ただし、静止状態でPK+はPNa+の25倍の値を示し、一方、グリベンクラミド存在下では、PK+はPNa+の4倍にまで阻害されるとする。また、静止膜電位は-69mV、細胞内外のイオン組成は変化しないと仮定する。log101.8= 0.26、log102.8= 0.45、log103.8= 0.58とする。
1) +35mV 2) +25mV 3) +15mV 4) -15mV 5) -25mV
解法のための情報はすべて,問題中に含まれており,受験勉強しなくても解ける「単なる数学の問題」と言えよう.ただ,問うているのは膜電位ではなく,その変化であることに注意.PK+/PNa+ = αとおくと
φm = 61log10{(α[K+]ex + [Na+]ex)/(α[K+]in + [Na+]in)} ①
この式を使って静止状態,グリベンクラミド存在下の膜電位を求めると
φm(静) = 61 log10{(25×5 mmol/L + 150 mmol/L)/(25×150 mmol/L + 10 mmol/L)} = 61 log10(275/3760) ②
φm(グ) = 61 log10{(4×5 mmol/L + 150 mmol/L)/(4×150 mmol/L + 10 mmol/L)} = 61 log10(170/610)
Δφm = φm(グ) - φm(静) = 61 log10(170/610) - 61 log10(170/610) = 61 log10{(170/610)×(3760/275)}
さて,ここで常用対数の真数の計算がチョット大変だ.普段,電卓ばっかり使っている諸君はこの計算(掛算と割算)で間違えるかもしれない.ここまで来たのだから,単なる計算ミスで不正解になるのは辛い.受験勉強中は,なるべく手計算を励行して,本番に備えよう.「当日は慎重に計算するから心配ない」と言って,2月まで電卓に依存するのはやめよう.四則演算で間違えないようにするには実践のみ!示されている常用対数の真数に近い値が得られないときは,計算をし直そう.概数で計算して目星をつけることは大切.
Δφm = 61 log10 3.81 = 61 × 0.58 = 35.38 mV
正解は「1」
なお,式②を計算すると,静止膜電位が「-69.3 mV」と得られる.
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