換算質量
- 2015/09/20
- 09:17
9/5「2原子分子の振動運動」のところで,片方の原子を固定して考えたとき,最後に出てきた式⑤で質量mは換算質量μで置き換えていいと言っただけで証明はしていなかった.それを証明しておこう.
2つの質点P1,P2の質量をm1,m2,それらの加速度をベクトルA1,A2,P2がP1に及ぼす力をベクトルFとすれば,作用反作用の法則により,運動方程式は
m1A1 = F m2A2 = - F ①
となる.それぞれにm2,m1を掛けて,辺々引き算をすれば
m1m2(A1 - A2)= (m1 + m2)F ②
が得られる.P2を原点とする座標系(回転はしない)に対するP1の加速度AはA = A1 - A2となるので,式②は
m1m2A = (m1 + m2)F → {m1m2/(m1 + m2)}A = F ③
となる.
つまり,P1のP2に対する運動は,P2を不動の力の中心としたとき,質量m1m2/(m1 + m2)なる質量の質点が行う運動に等しいことが分かった.その質量を換算質量と呼び,μとおけば
μ = m1m2/(m1 + m2) ④
となり,辺々の逆数をとると
1/μ = 1/m1 + 1/m2 ⑤
という簡単な関係になることがわかる.
2原子分子の運動を扱うとき,片方の原子を固定して考えるとき,動く質点の質量mを最後にμで置き換えてよいことが示されたのである.
2つの質点P1,P2の質量をm1,m2,それらの加速度をベクトルA1,A2,P2がP1に及ぼす力をベクトルFとすれば,作用反作用の法則により,運動方程式は
m1A1 = F m2A2 = - F ①
となる.それぞれにm2,m1を掛けて,辺々引き算をすれば
m1m2(A1 - A2)= (m1 + m2)F ②
が得られる.P2を原点とする座標系(回転はしない)に対するP1の加速度AはA = A1 - A2となるので,式②は
m1m2A = (m1 + m2)F → {m1m2/(m1 + m2)}A = F ③
となる.
つまり,P1のP2に対する運動は,P2を不動の力の中心としたとき,質量m1m2/(m1 + m2)なる質量の質点が行う運動に等しいことが分かった.その質量を換算質量と呼び,μとおけば
μ = m1m2/(m1 + m2) ④
となり,辺々の逆数をとると
1/μ = 1/m1 + 1/m2 ⑤
という簡単な関係になることがわかる.
2原子分子の運動を扱うとき,片方の原子を固定して考えるとき,動く質点の質量mを最後にμで置き換えてよいことが示されたのである.
追記: 本文とは関係ないが,昨夕,春に神宮球場へ一緒に行った後輩から「緊急連絡 東大またも法政に勝つ」とメイルが来た.湘南高校出身の左腕・宮台君が初勝利を上げたらしい.おめでとう.抑えの柴田君も好投.よかった.
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