ダイヤモンドの美しさ
- 2014/08/13
- 14:37
ダイヤモンドに,筆者は特別の関心はないが,世の女性方は目の色を変える.
ダイヤの魅力を物理化学の立場から少し考察してみよう.これまでに何度か触れた「屈折率n」.普通のガラスの場合は n = 1.5くらい.ところが,宝石となるとサファイアが1.76,ダイヤに至っては2.42などと大きい値となる.
スネル(1591-1626,オランダの数学者)の法則「sin i /sin r = n」をよく見ると,左辺分子の最大値は1だから,屈折角r はある値より大きくなることはできないことがわかる.光の進む方向を逆にして考えると,屈折率の大きい媒体(例えばダイヤ)から小さい媒体(例えば空気)に光が出ようとする場合,r はある値(臨界角と呼ばれる)以上にはなれない.そのような角度で光が照射されると界面で反射されてしまうのだ.これを全反射と呼ぶ.内視鏡とかデータ通信で使われる光ファイバーはこの性質をうまく利用しているわけである.
ダイヤと普通ガラスの場合の臨界角を求めてみよう.
ダイヤ sin r = 1/n = 1/2.42 = 0.41 → r = 24°
ガラス sin r = 1/n = 1/1.50 = 0.67 → r = 42°
ガラスでは,屈折角(界面に対する垂線との角度)が42~90°の場合に全反射されるが,ダイヤではもっと広い角度範囲24~90°で全反射されるということになり,いったんダイヤの中に入った光は,その表面にほぼ垂直に向かう光以外はすべて全反射されて,内部からなかなか出られない.
小学校の理科の時間に「プリズム」をいじった経験がある.筆者は,白色(というより目に見えない太陽光線)がプリズムを通ると綺麗な虹のように変化するのに魅了された.
つまり,ダイヤの中に入った光は,何度か反射されていくうちにさまざまな色となり,それがダイヤの中から出てくるわけである.それが「ダイヤモンドの美しさ」なのだと思う.勿論,ダイヤモンド原石をどうカットするかという技術も相俟って,究極の美しさをもつ宝石となるわけである.
ダイヤの魅力を物理化学の立場から少し考察してみよう.これまでに何度か触れた「屈折率n」.普通のガラスの場合は n = 1.5くらい.ところが,宝石となるとサファイアが1.76,ダイヤに至っては2.42などと大きい値となる.
スネル(1591-1626,オランダの数学者)の法則「sin i /sin r = n」をよく見ると,左辺分子の最大値は1だから,屈折角r はある値より大きくなることはできないことがわかる.光の進む方向を逆にして考えると,屈折率の大きい媒体(例えばダイヤ)から小さい媒体(例えば空気)に光が出ようとする場合,r はある値(臨界角と呼ばれる)以上にはなれない.そのような角度で光が照射されると界面で反射されてしまうのだ.これを全反射と呼ぶ.内視鏡とかデータ通信で使われる光ファイバーはこの性質をうまく利用しているわけである.
ダイヤと普通ガラスの場合の臨界角を求めてみよう.
ダイヤ sin r = 1/n = 1/2.42 = 0.41 → r = 24°
ガラス sin r = 1/n = 1/1.50 = 0.67 → r = 42°
ガラスでは,屈折角(界面に対する垂線との角度)が42~90°の場合に全反射されるが,ダイヤではもっと広い角度範囲24~90°で全反射されるということになり,いったんダイヤの中に入った光は,その表面にほぼ垂直に向かう光以外はすべて全反射されて,内部からなかなか出られない.
小学校の理科の時間に「プリズム」をいじった経験がある.筆者は,白色(というより目に見えない太陽光線)がプリズムを通ると綺麗な虹のように変化するのに魅了された.
つまり,ダイヤの中に入った光は,何度か反射されていくうちにさまざまな色となり,それがダイヤの中から出てくるわけである.それが「ダイヤモンドの美しさ」なのだと思う.勿論,ダイヤモンド原石をどうカットするかという技術も相俟って,究極の美しさをもつ宝石となるわけである.
追記: ダイヤから出てくる「色のついた光」を英語で「fire」と呼ぶことをWebのサイトで知った.
http://www.one-heart.jp/about/column/rough06.html
http://www.one-heart.jp/about/column/rough06.html
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